スマート・コントラクト

■スマート・コントラクトの仕組み

スマート・コントラクト(Smart Contract)とは、直訳すれば賢い契約という意味で、契約内容とその執行条件を決めておけば、執行条件が達成された際に自動的に取引を行う仕組みのことを指します。

これまでにも自動販売機において「利用者が飲み物代を投入する」ことと、「飲料のボタンを押す」という事前に決められた二つの執行条件がクリアされると、ほぼ自動的に「飲み物が出てくる」という契約が実行されるといったようにスマート・コントラクトは存在していました。

しかし、近年では、ビットコインなどの仮想通貨で用いられているブロックチェーンと組み合わせて活用することで、取引のコスト削減や不正な取引の防止に役立つと考えられており、株などの金融商品や不動産、レンタカーといった契約が必要な取引全般に用いられ始めています。

■スマート・コントラクトの活用方法

スマート・コントラクトを用いた活用方法の一つとして、レンタカーやカーシェアでの利用が考えられています。これまでのレンタカーサービスでは、お店にまで行って、受付の人から渡される契約書などにサインをし、車のキーを受け取って、車を借りる、という流れが必要でした。

それに対して、スマート・コントラクトを利用すれば、ネット上でレンタカーを借りる車の支払いをおこなえば、その支払情報が車のキーとなり、わざわざお店に行って受付をしなくても、直接借りる車の所に行けばよくなります。

また、場合によっては、予め支払った金額に応じたレンタル時間が来ると、自動的に車が停止するように契約内容に盛り込むことも可能になるとされています。

■スマート・コントラクトのメリット

こうしたスマート・コントラクトは、契約内容の執行が自動的に執行されるため、取り立ての手間が省けたり、また契約内容通りの取引がきちんと行われているのかといったことを管理する組織や人が不要になり、コストダウンが実現できるというメリットが期待されています。

また、ブロックチェーン上に保管された情報は改ざんすることが難しいとされているため、契約書が改ざんされたり、悪用されるといったことが防止されると言われています。

■スマート・コントラクトのデメリット

しかしながら、事前に契約内容を明確に定義できなければこのスマート・コントラクトを利用することができないため、曖昧な内容や解釈が必要となるような免責事項などをスマート・コントラクトでは盛り込めない、というデメリットがあります。

そのため、比較的簡単な契約においてはスマートとなりえますが、複雑な契約においては明確な定義ができず、利用できない可能性があります。

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