■ビットコインの取引にはブロックの生成が必要
ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引に必要不可欠なものがブロックチェーンというものです。
仮想通貨の取引を行う際、ブロックといわれる保存領域を作り、そのブロックに送信先や送信元の情報といった取引情報が保存されます。そして、その一つ一つのブロックがつなぎ合わさって仮想通貨全体の情報を保存しています。このチェーン状につなげることによって、あとからデータを改ざんしたりすることが実質的に不可能になるとされています。
■Segwitとは
Segwitとは、これまでブロックの中に含まれていたscriptSigという情報を別のwitnessという領域に保存するようにすることを指します。
仮想通貨の取引が行われる際、その取引に必要な情報としてその送信元の情報と送信先の情報の2つの要素があります。そして、送信元の情報の中には「scriptSig」と言われる、その仮想通貨の所有権を証明するためのデータが含まれています。このSegwitとは、この「scriptSig」に含まれているデータをこれまでとは全く異なる全く別のwitnessというデータ領域に保存するようにすることを指します。
それによって、これまで一つのブロックに1MBまでしか保存できなかった情報が圧縮されることによって理論的には最大で4MBまで保存できるようになるとされています。
■Segwitのメリット:取引がスピーディーに実行可能に
こうしたSegwitを行うことの第一のメリットは、取引に必要な情報量が少なくなるという点にあります。
ビットコインの取引きを行う際には、送信先の情報と送信元の情報を含んだブロックを作る必要があるため、このブロックを作る速度が速くなれば速くなるほど、取引も終了させることができるようになります。
そのため、Segwitを行うことで、ビットコインの取引きがより円滑にできるようになるというメリットがあります。また、こうしたことからビットコインの手数料も下がると言われています。
■Segwitのデメリット
Segwitのデメリットとして挙げられるのは、手数料の低下による採掘者のインセンティブの低下という問題があります。取引がより円滑に進むようになるため、送金手数料なども下がると言われていますが、これは別の見方をすれば、手数料を得ていた側からするとデメリットになります。
ビットコインの取引記録の保存とその整合性の確認には膨大な計算量が必要となるため、大勢の有志のコンピューターで余っている計算能力を借りることによって、取引データを安全に保存することができています。そして、この計算に参加している人たちのことをマイナーといい、その労力の見返りとして新たに発行されたビットコインを受け取っています。
送金手数料が減少するということは、このマイナーの人たちに送られるビットコインも減少してしまうことになるため、マイナーにとっては計算に参加するインセンティブが低下してしまうことになります。それによって、マイナーの数が減少し、ビットコインの処理能力が低下してしまう危険性があります。